独占欲強めな同期の極甘な求愛
「名前だけ聞いたらセレブのお嬢様を想像しちゃったけど、実際は全然違ったわ」
「なにそれ、ウケる」
また言われてる。名前負けだって。慣れてはいるけど、やっぱりショックだ。三井さんにもきっと聞こえているだろう。悪口を聞かれるのはすごく居心地が悪い。
「うちの会社から出てきたから、社内の子のはずなんだけどなー」
「いったい誰なんだろう」
あの会話からするときっと臣の彼女が私じゃないかと噂がたって、それで朝こっそり見に来られていたんだろう。江頭さんも朝そんなこと聞いてきたし、なんとなく想像がつく。だけど全然気が付かなかった。そんな風に注目されていたなんて。知りたくなかった。
「白鳥ちゃん? 大丈夫?」
じっと俯き唇を噛みしめていると、三井さんが振り返り心配そうな顔で覗き込んできた。
「あ、はい……」
「都倉くんが女と歩いていたって、朝すごい話題になってたけど、やっぱりその相手って白鳥ちゃん?」
「え?」
まさか三井さんの耳にも入っていたんなんて。
「やっぱり。特徴聞いてそうかなーとは思ってたんだ」
私が黙り込んでしまったものだから、三井さんはそれを肯定だと受け取ったらしい。だけどもう反論するのも面倒だった。臣には釘を刺されてしまったけど、なんかもうどうでもいいや。