独占欲強めな同期の極甘な求愛
「会社中の女の子がこぞって相手を探してるって、都倉くんいったいどんだけモテるんだよ。悔しいなー」
笑いながら三井さんが言う。その傍らで私は視界がじわりと滲むのを感じていた。
「だけど白鳥ちゃん、いったい都倉くんとどういう関係……って、えぇー!? なに泣いてるの?」
そう言われ、頬に流れる涙を自覚する。あー最悪だ。会社の先輩の前で泣くなんて。
溢れた涙を拭っていると、そんな私の前で三井さんはあたふたしていた。ハンカチハンカチと、ポケットをひっくり返したり、まるで自分が泣かせてしまったかのように焦っている。あの三井さんがこんな風に動揺するとは予想外で、思わずおかしくなってふふっと笑ってしまった。
「え! 今度は笑ってるし! どうしたんだよー白鳥ちゃーん!」
今度は心配そうに眉を下げ、私の前を行ったり来たりしている。困らせてしまって申し訳ないけど、三井さんの言動にどういうわけか気持ちが軽くなる。
掴みどころがない人だけど、三井さんはなんだかんだ良い人なのかも。こんな私が泣いてもうざそうにしないし、離れて行かない。本当に心配してくれているのがわかる。きっと良くも悪くも自分に素直で、それを包み隠さない人なのだろう。