独占欲強めな同期の極甘な求愛


「なにがあったの? 俺でよかったら話聞くよ?」

こんな風に優しくされたら、気を許してしまいそうになる。話してしまおうかという気になる。一瞬迷ったけど、私はかぶりを振った。

「大丈夫です、心配してくださってありがとうございます」
「もしかして、彼のこと好きなの?」
「えっ?!」

三井さんのことだから適当に言っただけなのかもしれないのに、思わず過剰に反応してしまった。しかも真顔でロックオンされているものだから、迂闊に首を横に振ることもできない。

でももう嘘を吐くことも誤魔化すことも疲れてしまった。ずっと本音で向き合ってこなかったから、今こうやってしっぺ返しにあっているんだろう。

臣にどんな扱いされても私は平気だって自分に嘘をついて、他人を欺いて。そんな日々が続くはずがない。そんなものいつかがたがくる。見透かされてしまう。

私はいまだ真っ直ぐ見つめてくる三井さんに、黙って頷いてみせた。そんな私を見て三井さんは「なんだぁ、俺一人勘違いしてたんだー」と力なく笑っていた。

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