独占欲強めな同期の極甘な求愛
心機一転



長年親しんできた扉の奥へと勢いよく飛び込む。以前眼科の扉を押した時の私とは少し違う。今日は自分の意志で、足で、ここへやってきた。

「美麗ちゃん、いらっしゃい」

元気な声で出迎えてくれた女性にぺこりと頭を下げる。

彼女とは恐らく中学校からの付き合いだ。母に連れられ初めて美容室という場所へ来たのがここで、それまでは器用な母が切ってくれていたが、そろそろ美麗もちゃんとしたところで切ったほうがいいという母の勧めで訪れたのがこのお店。それ以来私はメニューも変えず、数か月に一度通っているなじみの店。

「今日はどんな風の吹き回し? いつもカットしかしないのにカラーとパーマもだなんて」
「変わりたいんです」
「へー、それは一大決心ね」

何処か嬉しそうに言って、私を席へと促す。


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