独占欲強めな同期の極甘な求愛
「え? え? 本当にあの白鳥さんですか?」
「はい。白鳥です」
「いったいどうしたんですか!?」
驚愕する江頭さんは私を指す指を震わせ、何度もそう繰り返す。
「白鳥ちゃん、ずいぶんイメチェンしたねー」
そこに、三井さんが江頭さんを一瞥した後、すかさず近づいてきた。
「いいじゃん! 超可愛い!」
「まだ慣れなくて……。今朝も鏡に映った自分を見て驚いたくらいです」
「はは! 白鳥ちゃんらしい。でもすごくいいよ。ますます惚れちゃいそう」
朝からそんな軽いことをいって、私の頭をグリグリとこねくり回す。
「都倉くんには見せたの?」
「いえ、まだです」
「驚くだろうなー。都倉くんの反応が楽しみだ」
面白がるようにそう言う三井さんに苦笑いを零しながら曖昧に頷く。
きっと臣は驚きはすると思う。だけど見た目が変わったからといって、家族枠から恋人枠へ昇格するとは到底思えない。期待なんてはなからしていない。
今はただこのこじらせた初恋を終わらせたくて、自分を変え、気持ちを伝えようと決心した。そうじゃないときっと一生このままだと思ったから。
「もし都倉くんに振られたら、いつでも慰めてあげる。俺はいつでもウエルカムだよ」
不安げな顔をしてしまっていたのか、三井さんが私を覗き込みながら言う。
「お気遣いありがとうございます。でも振られた後のことなんて考えていません」
「じゃあ考えておいてよ」
爽やかな笑顔でそう言って、再び私の頭をぐりぐりする。せっかくセットしてきたのに、出社してわずか数分でぐしゃぐしゃだ。もう、三井さんめ。