独占欲強めな同期の極甘な求愛
「あのー、さっきから私のこと見えてないみたいですけど、そろそろ口挟んでもいいですか?」
私達のやり取りを見ていた江頭さんが、のそりと間に入ってきた。
「二人して都倉さん都倉さんって言ってますけど、もしかして白鳥さん、都倉さんが好きなんですか?」
ストレートな質問に、たじろぐ。だけどすぐ「うん」と頷いた。
「えーっ! そうなんだ! 意外! あ、だからイメチェンしたんですね。白鳥さん、健気~」
そこまで言って、江頭さんはクスクスと笑っている。ちょっとムッとしてしまう。きっと無駄な努力だとでもいいたいんだろう。でもこれは自分との戦いだ。誰に何と言われても外野は関係ない。
「もし期待していたら可愛そうなので、白鳥さんに一つ情報を教えておきますよ」
江頭さんが私を見下ろし、得意げにそう言う。
「情報って?」
「はい。都倉さんのお嫁さん候補は、あの外部の会社から来てた女の子だって言われてます。有力候補だって」
外部……? もしかして花笑ちゃんのことだろうか? いや、恐らくそうだろう。やっぱりみんなもそういう風に見ていたんだ。
「まぁ、それでもみなさん諦めていないみたいですけどね。白鳥さんもせいぜい頑張ってください。応援してます」
明らかに心のこもっていない声援を送ると、江頭さんは自席へと戻っていった。