独占欲強めな同期の極甘な求愛
その時クラスの中心のような女子と仲が良くて、その子はずっと臣のことが好きだった。それは学年全体の周知の事実で、私も自分の気持ちを隠し彼女の話を聞いたりしていた。
だけど彼女は急に態度を変え、私から距離を置くようになった。彼女がそうすることで他の子からも無視されるようになり、私はいつの間にか孤立していた。
私の知らないところでそんなやり取りがあっただんて、思いもしなかった。長年わからなかった原因が今やっとわかった。
「あの時お前を守れなかったこと、すげー後悔した。もっと俺がうまくやれてたら美麗は孤立せずに済んだのにって。だから中学に上がったときもお前と関わることをやめたし、会社で再会したときも幼馴染だってことは内緒にしろって言ったんだ。それがお前を守るための最善な方法だって、今の今までそう思っていたから」
そこまで聞いて、瞼に溜まっていた涙が一気に溢れた。臣が私に言ったあの言葉の裏にはそんな真意が隠されていたなんて……。私を守るためだったなんて……
「でもまた結局お前のこと傷つけた。ごめん」
涙を拭いながら首を振る。
「臣がそんな風に思ってたなんて……全然知らなかった」
勝手に地味な私の存在が恥ずかしいからだと思い込んでいたのは、自信のない自分が招いた負の虚像にすぎない。そんなのネガティブな思考は何も生まない。私はずっと自分で作り上げたものの中で溺れていたんだ。