独占欲強めな同期の極甘な求愛
「またさっきみたいなことがあったら俺に言えよ」
「……うん、ありがとう」
「今度は絶対守るから。もう俺のせいでお前に辛い思いさせない」
臣の強い口調に胸が熱くなった。
「お前のこと、女として好きだってことも、もっと早く気がつくべきだった」
……え?
「もっと早く気づけていたら、まだ間に合ったかもしれないのに。美麗に好きな奴がいるって聞いて、そこでやっと自分の気持ちに気がつくなんて、遅すぎるよな」
なに言ってるの? この人は。どうして悲しそうに笑っているの?
「頑固な美麗をこんなにも綺麗に変貌させた奴はいったい誰なんだよ。まじ腹立つわー」
独壇場の臣をポカンと口を開いて見上げる。彼はいったいなにを言っているんだ? 誰の話をしてるの?
「あのさ、臣」
「まさか三井さんじゃないよな?」
まだ勘違いを連発する臣。そんな臣になぜか怒りがわいてきた。
「そもそも会社のやつじゃないとか? 俺が知らない……」
「臣のバカーーーッ!!」
腕組みをして真剣に悩む臣に、思いのままに叫ぶ。臣は、は? と漏らしながら、顔を引きつらせた。
「バカって、なんだよ」
「臣に決まってるじゃない!」
「え?」
「20年近く臣がすき! 私の好きな人は、ずっとずっと臣だけなんだから!」
何度も言いかけ、飲み込んできた言葉を思いのままにぶつける。この言葉を言うのに20年近くもかかってしまった。
まさか怒りと相まった告白をするなんて想像もしていなかったけど、今は泣きじゃくった後のような、晴れ晴れとしたような気分だった。