独占欲強めな同期の極甘な求愛
「俺に必死にしがみついて、泣いてるんだもん。俺をどうする気だって思ったね」
生々しすぎて、耳を塞ぎたくなる。だけど臣は意地悪で、そんな私をからかうように続けた。
「俺のこと好き?」
「な、何言ってるのよ、こんなところで」
「キスしようか?」
「ダメに決まってるでしょー! それ以上変なこと言ったらお弁当取り上げるから」
「あー嘘嘘、悪かったって。照れた美麗が可愛くてついさ」
お弁当を取り上げようと臣に伸し掛かる。だけど臣は死守するように私を華麗に避けた。甘いと思ったら意地悪で、そうかと思えば男っぽくて。どれも私が今まで知っていた臣じゃない。だけどそれすらも好きだって思っている私はかなり重症だ。
「お二人さん仲良しだねー」
不意に聞こえてきた声に振り返る。と、そこにはニコニコとしながらこっちに向かってくる三井さんの姿があった。
「三井さん、お疲れ様です」
「いいなー幸せそうで」
私の隣に腰を下ろしながら、三井さんが言う。そんな三井さんを見て臣はちょっと面白くなさそう顔をしていた。
「すげー噂になってるよ、二人のこと」
そう言われてみれば、さっきからやけに視線を感じる。臣しか見えていなかったから、今の今まで全然気が付かなかった。きっとあることないこと言われているんだろう。