独占欲強めな同期の極甘な求愛
「お邪魔したね。ごゆっくり。俺はちょっと昼寝してくるよ」
「あ、はい。お疲れ様です」
「ちなみにえがちゃんがすげー機嫌悪いから、白鳥ちゃん気を付けてね。白鳥さんが自分のことを名字で呼ぶから彼氏ができないんだって、喚いてたから」
それだけ言い残すと、のんびりと歩きながら何処かへ行ってしまった。いつもいつもいったいどこで昼寝をしているんだろう。本当に不思議な人。
「えがちゃんって、あの経理の子?」
三井さんの背中を見送っていると、臣が心配そうに聞いてきた。
「あぁ、うんそう」
「なんか嫌がらせされたら言えよ?」
「大丈夫だよ、ありがとう」
そう言うと、臣は口元にゆっくり弧を描いたあと頷いた。
昨日臣が守ると言ってくれたのはすごく嬉しかった。だけどもう大丈夫。もう今までの私とは違う。自分が自分らしくあることに誇りを持てたから。それに誰かに愛されているということを実感することで、人は強くなれると知ったから。
「それにしても三井さんて呑気な人だよなー」
「いっつもあんな感じだよ」
「あれで次期副社長っていうんだから驚きだよ」
「え……? 今なんて? 次期副社長?」
聞き慣れない言葉の羅列に軽くテンパる。