独占欲強めな同期の極甘な求愛


私は死ぬほど恥ずかしかった。だけど臣はいつもいたって冷静で、特段反撃などしなかった。同級生とは思えないクールな対応に、隣にいた私も驚いていた。

だけどそんな態度を貫く臣にいつの間にかみんな尊敬のような眼差しを向け始めて、気が付けば臣のことを慕っていたっけ。

そして自然とクラスの中心になって、高学年になるとモテ始めて、だんだん遠い人になっていって……。その頃くらいからだろうか。臣のことを好きだと自覚したのは。

「白鳥さん、弁解しなくていいの? 絶対今の聞こえてたよ」
「いいんです。それに三井さんには関係ないことですから」

そこ退いてくださいと言うと、ふーんとつまらなそうに口を尖らす三井さんを跳ね除け、仲良さげに打ち合わせを続ける二人の気配を感じながら、社外へと出た。

< 20 / 138 >

この作品をシェア

pagetop