独占欲強めな同期の極甘な求愛
「何って、家まで送ってもらって、それで……」
そう言うと臣が一気に眉根を寄せた。
「ふーん、駅までじゃなかったんだ」
「あ、うん。ちょっと諸事情があって」
「三井さんあの後戻ってこなかったんだよね。もしかして家にあげたの?」
その質問に、えぇっ!?と顔を上げると、そこには犯人を追いつめる刑事のような視線をする臣がいて、思わず体が固まった
「どうなんだよ、美麗。正直に言えよ」
「いや、あの、その……」
ど、どうしちゃったんだろう、臣。そんな怖い顔して。もしかしてものすごい誤解してない? うちに三井さんが泊まったとでもいいたいの?
あーもうこんなことなら、メガネのくだりからきちんと話すべきだった。
「臣、聞いて、あのね最初から話すから、」
自分を落ち着かせるため、メガネのフレームに手をかけようとした。だけどいつもならあるはずのそれがなくて、余計に落ち着かない気持ちになった。しかも臣はそんなテンパる私を無言で凝視していて、ますます混乱する。
「あ、あのね、臣、実はね」
「ただいま戻りましたー! ふー、お腹いっぱい」
と、そこにお昼に行っていた江頭さんが戻ってきた。そしてすぐ江頭さんは私のデスクに体重を預ける臣の姿を発見すると、パーッと満面の笑みを浮かべ近づいてきた。