独占欲強めな同期の極甘な求愛
ピンチはチャンス!?
◇
金曜日の社内は朝からどことなく活気づく。その雰囲気は私にもなんとなく察知できた。明日が休みとなると、やっぱりみんな楽しみにしている予定があるんだろう。もちろんこの人も例外ではなく、いつも以上にやる気がない様子で現れた。
「おはよー、白鳥ちゃん。今日も真面目に仕事してるねー」
パソコンで決算書作成をする私に、欠伸を噛み殺しながら声をかけてきた。
「おはようございます、三井さん。遅刻ですよ」
「え、そう? 30秒前だと思うけど。それより、白鳥ちゃん、コンタクトが板についてきたね」
そう言われれば確かに毎日コンタクトを入れるのも慣れてきたし、メガネを上げる癖もいつのまにかなくなったような気がする。眼科であんなに大騒ぎしたのが嘘みたいだ。
「そうだ。今日飯行くんだけど、白鳥ちゃんも一緒にどう? 俺の他に営業のやつと、秘書課の女の子くるんだけど」
自席に着き、グッと伸びをしながら三井さんが言う。そんな三井さんに「行きません」と即答した。
「えー! なんで? 俺が誘ってるのに」
自惚れ発言に無視の制裁を与える。この前の件もあってそういう場所へいくことに、さらに苦手意識が強くなってしまった。まだ何か言いたげな三井さんの視線をひしひしと感じるが、ここは気が付かないふり。