独占欲強めな同期の極甘な求愛


「楪くるみさん、綺麗だったでしょ?」
「はい、本当に綺麗でビックリしました」
「でも気取ってなくて、意外と気さくな方なんですよ。私すっかりファンになりました」
「花笑さんもですか? 私もです! 最後のあのセリフよかったですよね」

共感し合えることが嬉しくてつい大きな声になる。そんな私を見て臣がククッとこっそり笑っていた。

「あれは都倉さんがお願いして実現したんです。ね?」

親しげに言って臣を見上げる。臣はうんまぁと、はにかみながら答えていた。私はそんな臣を直視できなかった。水曜日からまとのも顔を合わせるのは今日が初めてで、どことなく気まずい。するとちょうどエレベーターのドアが開いた。

「じゃあ俺はこれで。お疲れ様でした」

臣は花笑ちゃんにそう告げると、軽快に下りて行く。

「都倉さん!」

そんな臣を花笑ちゃんが慌てて呼び止める。

「今度、二人で打ち上げしましょうね」

扉が閉まる寸前、花笑ちゃんはいつもの笑顔で臣にそう言うと、臣は「はい」と言って王子スマイルを向け、ドアが閉まるまで頭を下げ見送った。


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