独占欲強めな同期の極甘な求愛
「あ、電気つきましたよ!」
花笑ちゃんの声に上を見上げる。
「ほんとだ! やっと出られる」
「あー私トイレ行きたい!」
手を取り合って喜びあう。すると機械が動き出す音が聞こえてきて、二人で立ちあがった。この短時間で連帯感が生まれた私たちは、徐々に扉が開いていくのを固唾をのんで見守った。わずかな隙間から光が差し込む。それを皮切りに一気にドアが開いた。
「よかった! 開いた!」
「やったね! 白鳥さん!」
手を取り合いその場で小さくジャンプしていると、こっちを心配げに見つめる瞳とぶつかった。臣だ……。
「あ、都倉さ……」
花笑ちゃんが嬉しそう口を開いたとき、臣の香りが勢いよく乗ってきた。と、同時に暖かな感触に包まれ、え……?と、目をぱちくりさせた。
「無事か?」
「え、あ……の?」
「美麗、怪我してないか?」
耳元でそう問いかける臣。何が起こっているのかわからなかった。わかるのは花笑ちゃんがあんぐりした顔で私たちを見ているということ。私の心拍数が異常なほど早いということ。