独占欲強めな同期の極甘な求愛
「体、冷えてる。寒かったろ。機械の故障だって。マジでビビった。俺が降りた瞬間、止まるもんだからさ」
堪えていたものが溢れるようにしゃべる臣。
何をしてるの? ここ会社だよ? なに冷静にそんなこと言ってるの? それに抱きしめる相手、間違ってるよ?
「お……じゃなくて、都倉さん。間違えてますよ? 花笑ちゃんはこっち」
抱きすくめられた手を強引に引き抜き、隣で呆然とする花笑ちゃんを指さす。
「間違えてねーよ」
すると間髪入れずに低い声が耳元で響いて、心臓が破れそうになった。泣きそうになった。
間違えてないって……。どういうことなの? これはなんのハグ? こんなところ、社内の人に見られたら、なんて言い訳するつもり?
頭の中はパニックだった。だけど力強く抱きすくめる臣を押しのけることもでず、ただただ臣が離すまで彼の腕の中で呆然としていた。