独占欲強めな同期の極甘な求愛
「この新作のワイン、美味しいですね」
「お気に召していただきましてありがとうございます」
今日の目玉となっている自社オリジナルのワインだ。私も昨日試飲してみたけど、フルーティーな味わいが女性に人気がでそうだと思った。
「都倉さん、お忙しそうですね」
臣の名前を出され思わず目が泳ぐ。だけど動揺を悟られないようにしないと、ますます怪しまれてしまう。だから平然を装い、そうみたいですねと、単調な口調でそう言った。
「ご挨拶したかったんですけど、なかなか話しかけられなくて」
私もさっきから探しているけど、現れたと思ったらすぐに声がかかり、消えていくを繰り返している。本当に忙しそうだ。なにか手伝いたいところだけど、その指示をするのも手が回らないといった状態のよう。
「都倉さん、この前のCMの仕事が終わってから全然連絡もくれなくなったんですよ。食事に誘ってもなかなか返事もくれませんし」
「はぁ……そうでしたか」
とはいえ、うちには来ている。口が裂けても言えないが。今週だってなんら変わらず当たり前のようにやってきた。よほど私の作るものが口に合うんだろう。
「あの、白鳥さんと都倉さんて、どういう関係ですか?」
突如ズバッと直球で聞いてきた花笑ちゃんに思わず目を丸くする。いつくるのかと構えていたものの、こんなにもストレートに投げてくるとは思わず驚いた。