独占欲強めな同期の極甘な求愛
痛くもない腹を探られる
「白鳥さん昨日の夜、何してました?」
経理部に置いてあるオーガスタにお水をあげていると、出社してきたばかりの江頭さん唐突に聞かれ、思わずその場で飛び上がりそうになった。
昨日の夜といえばあれから二人で焼肉に行って、思いがけず楽しい時間を過ごした。臣は試飲会が無事終わりホッとしたのか、いつもより饒舌で笑顔が絶えなかった。私もそんな臣を見て幸せな気持ちでいっぱいだった。昨夜の臣の顔を思い浮かべると、今もまだ胸がキュンとする。
「白鳥さん? 聞いてます?」
「あ、えっと、昨日は……真っ直ぐ帰ったかな」
そんなことがあったなんて口が裂けても言えるはずがなく、私は上ずる声を堪えながらそう答えた。
「そうですよねー」
「どうかしたの?」
「いえ、私も又聞きだから詳しくは知らないんですけど、昨日都倉さん打ち上げに来てないと思ったら、どうやら女の人と二人で繁華街を歩いていたらしんです。その女の人の特徴が黒髪で、白鳥さんくらいの身長だったらしくて。もしかして白鳥さんだったのかなーって」
「えっ? わ、私?」
嘘……やっぱり誰かに見られていたんだ。冷りとした汗が背中を流れる。