明日こそ、キミに「好き」を届けます。
「あっ、ちょっと……!」
「てことで、俺は用事があるんで!」
ビシッと敬礼してから、ランドセルをロッカーのなかへとしまいにいく彼。
そのまま、後ろの扉から出ていくかと思えば、なぜか私のところまでケロッとした顔で戻ってきた。
「……なに?」
じーっと、意味もなく私の顔を見つめる桜庭。
不思議に思ってたずねてみると、桜庭の口が静かに動いた。
「……今日の放課後だかんな。先帰んなよ」
コツンと私の頭を小突いてから、口パクで「絵美ちゃん」と呟くと、彼はそそくさと教室から出ていった。
……殺す気でしょ。アイツ……。
小突かれた頭を手で撫でながら、私は顔を赤く染める。
静かになった教室で、私は飴玉の入った手提げ袋をしばらく見つめていた。
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