明日こそ、キミに「好き」を届けます。
「……身長は負けたけど、手のサイズは勝ったな!」
ヘヘッと嬉しそうにガッツポーズをする桜庭に、私は少しだけ悔しい気持ちになった。
「よし、気分上がったところで、広場到着!」
桜庭の声に顔をあげると、目の前には大きな噴水。左右には休憩用のベンチ。そして奥のほうには、カフェやクレープ屋のワゴンといった、お店が建ち並んでいた。
「……で、ここになんの用があるの?」
私は目の前の光景から、桜庭に視線を落とすと、ずっと気になっていたことを口にした。
「あと十分」
「え?」
だが、返ってきたのは、なにかのカウントダウンを告げる言葉。
「あと十分だけ待ってて。そしたら……、話すから」
「……」
意味がわからず、どういう意味か聞きたくなってしまったが、桜庭のあまりにも真剣なその表情に、私は黙りこくってしまった。