明日こそ、キミに「好き」を届けます。
桜庭のその真剣な瞳に思わず吸い込まれそうになった。
「……明日の放課後、広場に行かね?」
「広場……?」
突然の誘いに胸がドキドキと高まる。
「い、いけど……」
「んじゃあ、約束な。忘れんなよ」
それだけ言い残すと、彼は一目散に走り出した。
彼のちいさな背中もすぐに見えなくなって。
だけど、私の胸のドキドキは落ち着くことを知らない。
……やめてよ。そんな誘い。
変な期待するじゃん……。
桜庭のばーか。ばか、ばか、ばーか。
「……好きだ、ばーか」
ふてくされた表情のまま、私は囁くような声でボソッとそう口にした。
冬の冷たい空気がじわじわと熱くなる身体を冷やしてくれているようで、なんだか心地よかった。
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