明日こそ、キミに「好き」を届けます。
story*2 キミに恋をしたのは。
「はよー、絵美ちゃ~ん!」
ガラッと勢いよく教室の扉を開けて、中に入ってきた男子。
本を読んでいた私は、その声が耳に届いた瞬間、ゆるゆると視線をあげて入ってきた人へと向けた。
「……桜庭。おはよ……」
目を細めていかにもイヤそうな表情を浮かべる私。
「なんだよ、元気ねーな。昨日のこと怒ってんのかー?」
「……別に」
桜庭は私の隣の席に腰かけると、かまってと言わんばかりに服の裾を引っ張ったり、私の肩に頭をスリスリとしてきた。
……あぁ、もう可愛すぎか。
なにそのかまってアピール……。
アンタは、イヌ?
本を読んでるはずなのに、内容が全然頭に入ってこない。
「なに、赤くなってんだよ。篠山」
バッと私から本を横取りすると、赤く染まっているらしい私の顔を覗きこんできた。