Sugar
「で、碓氷一人なの?」

そう言いながら、綺麗な目をこちらに向ける。


うっわ……間近で見たらほんと綺麗な顔。

「う、うん。楓が熱出しちゃって…。
あとでお見舞いに行くつもりなんだけど、
折角来たからぶらぶらしようって思って。」

「へぇ。じゃあ、見舞いに行くまでの間、俺とぶらぶらしよっか。」

「…え?」

突然のお誘いに、ふと顔をあげる。

……とそこには、少し顔を赤くした一ノ瀬くんがいた。


え、暑いの?

私がキョトンとしていると、
一ノ瀬くんが目を細める。

「ダメ?」

若干色気の混じった低い声に、鼓動が高鳴るのが分かる。

「う、ううん!ダメじゃないよ!
いや、でも、一ノ瀬くん友達と来てないの?」

「来てない、俺一人。本屋に寄るだけだし。」

「あ、そうなんだ。てっきり彼女とでもデートかと…。」
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