Sugar
「……好きな奴、いるから。」

そう、ボソリと呟いた一ノ瀬くんの声が、
聞こえてしまった私。

聞いた瞬間、目の前が真っ暗になる。

「え……」

それって、私には望みがないってこと?

「まぁ、むこうは俺のこと眼中になさそうだけど。」

一ノ瀬くんがその子に告白したら、絶対付き合う。
一ノ瀬くんからの告白を断る人なんて、いな……

そこまで考えて、ふと思う。




………楓は?


楓、一ノ瀬くんに興味ないよね?


それに楓はすごく美人で綺麗だし、
しっかりしてて良い子。
一ノ瀬くんが好きになる可能性は、大いにある。





………っ、どうしよう。


もし、一ノ瀬くんが楓のことを好きで、
楓も好きになって、二人が付き合ったら…。



私、応援できる?
笑顔でいられる?

……普通に、楓と話せる?




…無理、できない。

無理だよ、そんなの出来ない。




私、どうすればいいの。
< 9 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop