イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

（今日はあんな事ないよね）


そろそろお情けの関係も終わりそうだしな…と思いつつ助手席に着いた。彼は運転席に座るとナビを操作し始め、『京屋』という名前を登録して道案内のボタンを押す。


「今泉君？」


京屋って何？と思い、名前を呼ぶと、目線を合わせてきた彼が……


「湯葉食べに行こう。美味しいんだって此処」


誰に聞いた？と訊ねたくなる気持ちを抑えて、ふーん…と返事。
どうせクリニックの受付嬢か看護師さんだろうと思い、言われるがまま車に揺られる。


その間、学校での様子を訊かれ、私は少しだけ改善したよ、と答えた。


「生徒から急に『先生どうしたの？」って訊かれて。何が？って答えたら『今日可愛い』って言われたんだ」


それは、今泉君が部屋に来た翌朝のことだ。

いきなりスカート穿いて学校に行くのは気が引けて、取り敢えずはインナーをカラシ色のブラウスにして、それにブラウンのズボンを穿き、ブラウスの上からショート丈のホワイトカーディガンを羽織っただけだったんだが。