イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
「男子はともかく女子はちゃんと服装見てるんだなって感じた。皆、少しイメージ変わったね、と言ってくれて好感的に思ってくれたみたい」

「へぇー」

「それにね、算数の時間も努めて明るくしようと思って、自分が子供だった頃の話をしてあげたの。『先生も算数が苦手で、あんまり出来なかったんだよ』って。
そしたら、この間怒鳴った子の目の色が変わって、じっと聞き入ってるみたいだから続けたんだ__」


『先生は算数が苦手だったけどお家で勉強は毎日やったよ。だって、今ここで分からないからってやめてしまったら、中学に入って困るのは自分だよ…と近所のお兄さんに言われたから』



「近所のお兄さん?」


誰?と訊いてくる彼に目線を流す。そして、直ぐに前に向き直り、「幼馴染」と教えた。


「私よりも四つ年上だったかな。その時中学生で、小学校よりも更に勉強が難しくなるよ…と言って脅されたの」


だから、何事も投げ出してはいけないと言われた。
それに、どうしても分からなかったら教えてあげるとまで言われて、実際は教えてもらわなかったけど妙に心強かったのを覚えてる。


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