イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
いいなぁ~…と穴が空きそうなくらい顔を見つめてたせいだろうか。ようやく彼が私の目線に気づいてキョトンとし、「食べないのか?」と訊いてきた。


「食べていいの!?」


こっちは当然問うよね。
だって、揚げ物は避けるように…と言われたんだから。


「これくらいの量なら食べても平気だろ。ガッツリした唐揚げとかトンカツじゃないんだからさ」


湯葉なら体にもいいし、中身は鶏肉だからまあ許す、と言われて嬉しくて。


「頂きます!」


箸を伸ばして掴み、一口でパクッと食べ尽くす。


(美味しい!……ああ、油って本当に大事だなぁ……)


まるで食レポするタレントか、ってくらいに感動してると、向かい側に座る彼はクスクス…と苦笑しだして。


「メチャクチャ嬉しそう」

「そりゃ嬉しいよ」


なんたって私、揚げ物禁のおかげで、給食でも食べれる物がご飯とサラダと煮物と汁……に限定されてるんだから。


(早くアレが食べたいのに、この鬼軍曹のお陰で…)


アレのことを頭に思い浮かべつつ、湯葉料理を食べきる。
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