イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
コース料理のラストは、お豆腐で出来たアイスクリームで、アッサリとした味わいのせいか、食べた…という実感はあまり無かったけど、取り敢えずお腹はいっぱいになった。


「ご馳走様でした」


指先を広げて挨拶したのが子供っぽかったらしい。
今泉君はそれを見てまた微笑み、少し寛いでくか?と私に訊いた。


「ごめん。今日は実家に行かないとダメなんだ」


ここ数年間スカートというものを買わずにいたせいで、部屋には殆ど置いてなく、実家の自室に眠ってるものを少し取りに行ってみようと思ってたんだ。


「それなら送ってってやるよ」

「え、いいよ!」


あのシトロエンで実家まで乗り付けたら何を想像されることか分からない。
あんた仕事変えたの!?とまで問われてしまいそうで、いい、いい…と手を振って遠慮した。


「そんな訳いくか」


体冷やすのが一番良くない…とまた注意され、仕様がなく家の付近までお願いします…と頭を下げる羽目になった。


(どうも私、押しに弱いと言うか。今泉君があの頃とはイメージ違うもんだから、どうにも調子狂ってばっかいる)


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