イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
長々と説明を受けて薬局を出るとまだ十一時。
胃カメラの検査は思うほど長くもなく、喉にはまだ痺れが残っているけど、さほど違和感もない感じで爽快だった。


「ただの胃炎だと分かったし、まあ安心」


さて、何処で時間を潰そうかなぁ…と歩き出したら、近くに本屋さんが見えてきた。


（やった！ラッキー）


好都合と思ってそこへ足を運び、十二時を回ってから病院へと出戻った。



病院へ着いた私は、自分が想像もしなかった現場に出くわした。

自動ドアの中では、午前の診察を終えたらしいドクターが受付の前に立っていて、私がドアを開けると受付をしている女性達との会話が耳に飛び込んできた。



「先生、今日こそは一緒にランチしましょう」

「美味しいお店を見つけたんですよ。メンチカツとかお好きですか？」


二人の受付嬢はカウンターから身を乗り出すようにしながら話しかけていて、それを聞く今泉君の顔も満更ではなさそうで、あの誘いは何だったのよ…と、思わずこっちが眉間に皺を寄せたくなるような場面だった。


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