イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
今泉君は私が助手席に座るとヒーターのスイッチを入れてくれて、温風の吹き出し口を調節すると
私に向いて問い直してきた。


「今の…あの人が教師を目指すことになった理由?」

「どうして?」


そう思うの?と訊き返すと、彼は貰った名刺に目線を落とした。


「同じ教師だから」

「あ…」

「当たり?」

「うっ…」


うん…とは言えずに俯く。
でも、それをイエスと受け取ったらしい彼は、ふぅん…と唸り、彼が先生になったから自分もなろうと思ったのか?と問い返してくる。


「いえ別に、そういう意味でもなかったんだけど」

「じゃあどういう理由で先生に?」

「どうしてそれに拘るの?」


なんか変だよ…と声に出しそうになったが口を閉ざした。
ジロッと睨んでるように見える彼の視線が怖くて、私、何かした?と焦ってしまう。


「俺は…君が図書館の司書にでもなってるんだろうと思ってたんだけど」


ハッ。


「教師とかマジでビックリした。しかも小学校とか…ホント驚きで」


そうか、理由はアイツか…と納得したように呟きを繰り返す彼。
でも、それを全否定することは私には出来なくて。


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