イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

ドキッ。


「う、うん、覚えてるよ。今泉君のことでしょ？」


まさか…と思いつつも声を返すと、千歌は「そうそう」と二つ返事で。


「執事さ、今、記念病院の医師やってるんだって。丁度内科医らしいし、葵がずっと胃痛で苦しんでるなら丁度いいかなと思ったんだ」

「えっ…記念病院で？そうなんだ」


ドキドキしつつ話を合わせ、彼と久し振りに再会した日のことを思い返した。


（そう言えばあの時、別の病院に普段は勤務してると言ってた…）


それがあの記念病院だったのか…と思い当たった私に、千歌は歩きだしながらこんな話を始めた。


「執事さ、結構いいドクターらしいんだよ。彼目当てで来る患者さんも多いみたいでね、腕も確かだし、名医だと言ってドンが褒めてた」

「そ…そう」


千歌はそれを祖母のお見舞いに行った時にドンから直接聞いたらしく、何かあったら受診してみたら？と勧められたそうなんだが。