イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
「でもさ、医師とは言っても同級生じゃん。全く知らない相手でもないし、自分のお腹を見せるのは勇気もいるでしょ。だから、葵に話すのはどうかなぁ…と思って迷ったから忘れてた。だけど、もう別の病院へ行って診てもらったんなら大丈夫だね」

「う、うん。…アハハ」


冷や汗をかきつつ、まさかその別の病院で、当の本人に診てもらったなんて間違っても言えず、ヒクッと頬を引きつらせながら誤魔化して笑う。


「そう言えばあの二人、今も付き合ってるのかな」


思い出したように話を続ける千歌に目を向け、私はさっと過去を思い出した。


(あっ、そう言えばそうだった!)


ピタッとつい立ち止まってしまい、振り返った千歌が、どうしたの?と訊いてくる。


「あ…ううん、ごめん」


何でもない…と歩きだしながら、懐かしいあの頃を思い返した__。



< 121 / 241 >

この作品をシェア

pagetop