イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
それなのに、その言葉に惑わされて付き合う私もどうかしてる。

彼が本当にドンと付き合ってるのなら、もう彼と会っちゃダメだし、あんなキスなんてされたら、ドンに余計に申し訳ない……。



「葵?」

「えっ」

「どうかした?顔色悪いよ」

「えっ、そう?」

「何処かで休む?ちょっと座った方がいいかも」

「平気平気。それよりも私、千歌にスカートを一緒に選んで貰いたいんだ」


そう言い出しのはいい。でも、よく考えてみれば、彼の言う通りにする必要もないのかも。


「スカート?珍しいね」


千歌は、私がこのところ買うのがパンツばかりだったことを知ってる。

だから、何かあった?と訊いてきて、「ひょっとしていい人でも出来た?」と言うからビクッとした。


「違う違う!そんなんじゃないよ!」


両手を振りながら慌てて否定したもんだからまた疑われる。でも…


「そんなこと絶対にないから!」


強目に否定をすると、訝しく見遣りつつも「まあいいけど」と諦めてくる。
私はそれにホッとして千歌とショッピングを楽しみ、実家に帰ると卒アルを開き、あの中学時代を更に思い出していったんだ……。



< 123 / 241 >

この作品をシェア

pagetop