イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
図書室の本棚の前に佇んでる全身写真の美女子(…のように見えた。一瞬)
ストレートロングヘアは背中の真ん中辺りまであり、サイドは耳に引っ掛け、一心不乱に書物にのめり込んでる。


「これ誰?……って、私じゃん!」


思わず驚いて声を発する。

中学時代の私。
望月葵以外にない。


「へぇー。こんな写真、卒アルに載ってたんだ」


知らなかったーと言うか、まともに見てなかったんだな、きっと。

結構可愛く写ってんじゃん、と自画自賛しながら眺め、ペラッとページを捲る。



「あっ…今泉君」


剣道部の試合の時の写真。
相手に向かって竹刀を振り上げる道着姿の子の名前が彼のだ。


「わぁ。勇ましい」


こんな一面あったんだ。
私、何も知らなかった。


視線を更に下へ向けると、同じ部活の連中と笑い合ってる写真が並んでる。
その中には勿論ドンの姿もあって、同じくらいの身長の二人が並んで立つと、流石に圧巻って雰囲気を感じて__。


「ふぅん」


複雑に思いながら、またページを捲ると今度は生徒会役員の写真。
会長をしてた今泉君の隣にはドンが居て、その肩は触れそうなくらいに近い。


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