イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
月曜日まで待てなかった私は、今泉クリニックのドクターが書いてくれた診断書を手にしたまま、記念病院の正面玄関をくぐり抜けた。


時間は既に午後四時半を回り、診察時間も過ぎてロビーには患者も職員もおらず、閑散としていた__。



(……バカだった。こんな時間に来ても誰もいないと分かってる筈なのに)


ひょっとしたら今泉君に会えるかなぁ…と思ったんだ。

彼に会ったら、取り敢えずは胃の調子が良くなった…と伝え、さようならを告げようかと思ったんだけど。


「いる訳ないか」


ハハハ…と虚しく笑って踵を返そうとした。
また来週出直してこようと自動ドアの方へと向きを変えた時……


「白金主任!」


若い女性が呼ぶのが聞こえて振り返った。
視界には二階の廊下を歩くナース服の女性が見え、その人の元へと若い看護師が近付いてる。


呼ばれた相手は向きを変え、二人はカルテを見ながら二、三言葉を交わし、声をかけた看護師は、そのまま頭を下げて走り去ってく。



(あれは……)


ドン?…とニックネームが頭に浮かぶ。

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