イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
「私はドンが名前を呼ばれなかったら、誰か気づかなかった。すっかり綺麗になっちゃって、別人かと思ったよ」


雰囲気変わったね…と言うと、目を細めて微笑まれる。


「そう?よく言われるんだ」


中学時代はガサツだったからね、と笑う姿はどこか懐かしい感じがする。だけど、あの頃の彼女とは、やっぱり別な雰囲気。


「どうしたの?病院に何か用事があった?」


ゆっくり話したいけどまだ勤務中でさ…と言うドンに遠慮し、うん、ちょっと…と言いながら、手にした紹介状を後ろ手に回す。


「そう言えばね、この間、病棟で千歌と会ったんだよ。お祖母ちゃんのお見舞いに来てたらしくて、久しぶりと言って話したんだ」

「それなら私も聞いてる。この間、千歌に会ったから」


でも、まさかドンがこんなに美人になってるとは思ってもみなかった。
千歌はドンのことを知ってた筈なのに、この情報を話さないでいるなんて__。


(……さては千歌、疑ったな)


でも、それは私でも分かる。
こんなに別人になられてたら、ひょっとして整形でもした?って思っちゃいそうだもん。


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