イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
(ドンには絶対に言えないけど)


胸の内に隠しておこうと思い、ゴクンと唾を飲み込み、会話に困った私は、そうそう…と千歌に聞いた話を持ち出した。


「此処で今泉君も働いてるんでしょ。内科医してると聞いたんだけど」

「ああ、洸大ね。居るよ」


なかなかいいドクターで人気者なんだ、と話すドンの表情はイキイキしてる。


「…ねぇ」

「ん?」


私は上から見下ろしてくる彼女を見つめて唾を飲んだ。
彼に確かめる勇気はないから、ドンの口から真実を聞こうと思った。

だけど、頭の中では、「止めておきなさい」という声も飛び交ってる。
それでも、やはり確かめずには居られなくて__。


「ドンと今泉君てさ、今でも付き合ってるの?」


ドキドキしながら目を見て訊くと、ドンはパチッと瞬きをして、「え?」と驚いた表情をするではないか。


「中学の頃、二人って付き合ってたんでしょ。だから、今もかなぁ…と思ったんだけど」


どうか違うと言って欲しいと願ってる。
そんなことある筈ないじゃん、と笑って言い返して欲しいと心の隅で思った。

でも……


「やだ、それ、洸大が言ったの?」


< 147 / 241 >

この作品をシェア

pagetop