イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
相変わらず飲みだすと酒癖悪いな…とカウンターチェアに腰掛けながら思い、差し出されてきたお絞りで手を拭く。

その間、環は何杯目かのおかわりを受け取り、おっさんみたいに呷りながら、「ふぃー」と大きく息を吐いた。


「……お前さ、いい加減メイク盛り過ぎんのやめろよ。スッピンとの差があり過ぎるから、『別人だ』と言われて引かれるんだぞ」


カラコンとかツケマとか、やり過ぎなんだよ。
本来の顔はもっとアッサリした寂しい目元なのに無理し過ぎるから呆れられるんだ。


「顔だけ見て惚れる男も男だけどさ、パッと見雰囲気まで違って見えるのはどうかと思うぞ」


変わんねーのは性格の強さと酒癖の悪さ、それと肌の白さだけじゃん…と呟き、そういやこいつ、いつから二重に変わったんだ?と瞼を見つめる。


(プチ整形したのか?)


とうとうそこにまで手を出したか…と呆れると、環はグラスを手にしてはぁ…と息を吐き出した。


「……雰囲気まで違うか」


そう呟くと、また盛大に溜息を吐いて肩を落とす。


「そう言えば、今日会った同級生にも同じこと言われたな。雰囲気変わったねぇ…って」


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