イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

咄嗟に本音を漏らしてしまった。

今泉君はギョッとし、困惑気味に「えっ？」と声を出す店員に目配せすると、「いいえ何でも」と微笑みを浮かべ、別に気にしなくてもいいから…と断ってる。


（私もそれが食べたいっ！）


グルル…と飢えた犬みたいに手を握り、拝む様な眼差しで彼を見つめてみたが完全にシカト。


「では、ブランド豚の生姜焼きのランチセットがお一つと、鮭雑炊がお一つでよろしいですか？」


ちらっと私の顔色を窺う店員。
はいはい、もうそれでいいですよ〜、と仕様がなく諦めて頷くと去って行き、その背中を見遣りながら今泉君は苦笑し始める。


「さっきの、マジで驚いた」


くくく…と笑い始め、私は不貞腐れつつ、でもぉ〜と反論したくなる。


「私が消化のいい物しか食べれないのにブランド豚頼むなんてと思うと、あーいう反応になっても無理ないでしょ」


少しは遠慮してくれてもいいんじゃないの？と拗ねた気分で言い返すと、イケメンオーラたっぷりの彼は表情を崩しながら「まあそうだね」と否定もせず。