イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛

「でも、俺は今日は朝から肉が食べたい気分だったんだよ。最初はステーキも考えたんだけど、流石に雑炊の前でステーキは食べ難いからやめたんだ」


これでも譲歩したと言う彼に、譲歩〜？と声を上げながら笑い合う。


そんな私達だけど、実は、中学時代にはそんな親しく話をする間柄でもなかった。


私はどちらかと言うと引っ込み思案な性格だったし、いつも教科書や問題集と睨めっこばかりしてる今泉君とは、自ら積極的に交わりを持つ人間でもなかった。


だから、こうしてファミレスで彼を向かい合わせに座ってるのも何だか不思議で、笑い合うのもすごく新鮮で楽しくて＿＿。


（あー、なんか癒される）


普段の日常とは、ちょっと違うランチタイム。
子供達と一緒に食べるのも悪く無いけど、イケメンと食事するのはそれ以上に気分がいい。


（今日はついてるな）


これで食事がまともに食べれると尚いいんだけど雑炊じゃねぇ…と若干気も滅入ってくる。

でも、届いた雑炊には結構大きな鮭の身が乗っていて、卵もふわふわであったかくて、それなりに美味しかったから満足した。