イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
「先生、この間から時々スカートで学校に来るんだ。だから他の先生達も、『カレシ出来たんじゃない?』ってウワサしてた」


今日もデートに間違いなしだと言いだし、これだからガキは…と内心で思う。


「先生のカレシ、何処にいるの?」


キョロキョロとしだして、マズいと焦りながら、ハハハ…と笑って誤魔化そうとしたんだけど。


「葵」


背後から声が聞こえ、ビクッとしながら咄嗟に向き直ってしまった。


「あ…」


今泉君…とタイミングの悪さに泣きそうになる。


(なんで、こんな近くに停まってんのよぉー!)


最悪…と額に手をやれば、彼を見上げた生徒が指差した。


「この人が先生のカレシ?」

「イケメンね」


親子でニヤニヤしながら今泉君を見つめ、何がなんだか分かってない様子の彼は、どうも…と頭を下げている。


(挨拶なんてしないでいいし!)


思いきり無視して欲しかった…と思うが、時は既に遅い。


(これでもう、クラスの保護者には拡散されたも同じ)


観念しよう…と諦めたところへ、やっと父親が二人を呼んだ。


「おーい、行くぞ」


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