イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
食べてもいいんだぞ、と言われるが、犬と言われるとムッとくる。


(駿ちゃんといい、今泉君といい、私のことを何だと思ってるの)


猫だの犬だの……って、他の言い方ないんかい。
文句の一つも言ってやりたいところだが、昨夜からずっと空腹で、それよりも先ずはお腹を満たしたいとフォークを手にする。


「頂きます!」


どうぞ…と言われる前からサラダに手を伸ばし、ジューシーなグレープフルーツのかぶり付く。


(ん〜っ、酸っぱい!)


でも美味しー!と頭の中で思ってポーチドエッグが乗った厚切りトーストを切り分けた。


(卵がトロトロで堪らない。バターの風味も効いてるし、流石はホテル食パン)


今ならどんな食レポでも出来そう…と感動しながら食べてると、向かい側にいる彼は食べもしないで呆気に取られて私を見てる。


「本当に顔に出るな」


そう呟くとクスリと笑い、ようやくフォークを手にして食べだす。


「どういう意味?」


聞きづてなりませんけど?と見返して、パクッとベーコンを頬張る。


「ん〜っ!美味しい!」


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