イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
「本を読みながら泣いてるのを見た時、きゅんとしたんだ。俺の前で泣いてる女子は結構いたのに、その誰よりも胸が痛くて驚いた」


印象がその日から変わった…と言う彼は、薄っすら頬を染めてる。


「昨日アルバムを見てて、あの日のことを忘れないようにしないとな…と感じた。それを葵にも伝えたくて、あのマークを書いた」

「だったら怒りじゃなくて、涙の雫の方が適当なんじゃないの?」

「それだと笑えないだろ」

「あれを見て私は軽く怒りましたけど!?」


失礼だなと思った。人の顔見て、怒ってると判断されたんだと勘違いした。


「葵が怒っても俺が書いた意味は正反対だから。それを忘れないでいてくれたらいいよ」


理由を話した彼は食事を再開し、さっさと食べ終えよう…と提案した。


「もう葵のストレス発散をしなくてもいいんなら、今日は普通にショッピングでもしないか?」


ドライブでもいいぞ…と別案を示され、うん…と言いながら思いに耽る。


彼は愛車を運転するのが好きらしく、乗り心地だけでシトロエンに決めた…と前に話してた。

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