イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
あの時、カラーは迷ったけど、ほぼ直感で決めたとか言っていた。

出来るだけ医者だと思われないカラーを選択したそうだ。
堅実な職業だと思われない方がいいんだ…と、意味の分からない理由を楽しそうに話していた。


(その割には内装にはひどく拘って、何度もシュミレーション繰り返したとも言ってたっけ)


愛する物への執着というか、結構思い入れが強いんだ。


(こういう人の彼女になるって、どんな感じなんだろ)


ぼうっと手を止めて彼を見てた所為だろうか。
視線を向けた彼がキョトンとし、「葵?」と名前を呼びかけた。


「は、はい」


ビクッとして返事をすれば、「どうする?」とまた質問を繰り返す。


「ショッピングにするかドライブがいいか」

「あ…じゃドライブで」

「OK。それじゃ、さっさと食べよう」


そう言って彼の視線は再びプレートに戻り、その様子を見つめながら私は慌てて食事を再開。

頭の中で、彼氏とドライブなんて大学以来一度もない…と思い返し、なんか改めて考えると凄く緊張してくるように感じた。


お陰で胸がいっぱいになり、トーストは全部食べきれなかった。

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