イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
海辺の道の駅から街中に戻り、クリスマスイルミネーションを眺めながらぶらぶら歩いた後、彼が行きつけの店に着いたのは、午後七時を過ぎた頃。
シトロエンは落ち着いた雰囲気の店先で停まり、エンジンを切った彼が、「着いたよ」と声をかけてきた。
「此処?」
「ああ」
助手席に座ったまま外を見つめ、スポットライトに照らされた白壁を見遣る。
『弦』
壁の一角に掲げられたプレートに気づき、何料理のお店?と問い合わせた。
店先には一見和風な感じの格子戸や窓枠もあり、もしかして和食処?と思いきや__。
「ダイニングバーなんだ。お酒も飲めるけど、俺は此処の料理が好きでよく来てる」
勤務先の病院にも近くて、遅くなっても対応してくれるから助かってるらしい。
「入ろう。マスターが待ってると思う」
顔を綻ばせながらシートベルトを外す彼は、何だか妙に嬉しそうで。
「うん」
行きつけの場所へ私を連れて行けるのがそんなに嬉しいのかな、と単純に喜んだ。
だけど、中に入った私は、急に不安を感じた__。
シトロエンは落ち着いた雰囲気の店先で停まり、エンジンを切った彼が、「着いたよ」と声をかけてきた。
「此処?」
「ああ」
助手席に座ったまま外を見つめ、スポットライトに照らされた白壁を見遣る。
『弦』
壁の一角に掲げられたプレートに気づき、何料理のお店?と問い合わせた。
店先には一見和風な感じの格子戸や窓枠もあり、もしかして和食処?と思いきや__。
「ダイニングバーなんだ。お酒も飲めるけど、俺は此処の料理が好きでよく来てる」
勤務先の病院にも近くて、遅くなっても対応してくれるから助かってるらしい。
「入ろう。マスターが待ってると思う」
顔を綻ばせながらシートベルトを外す彼は、何だか妙に嬉しそうで。
「うん」
行きつけの場所へ私を連れて行けるのがそんなに嬉しいのかな、と単純に喜んだ。
だけど、中に入った私は、急に不安を感じた__。