イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
一体どれくらいの付き合いがあると言うんだろう。
単なるお店のマスターとお客…ってだけの関係じゃないのかな。


不安を抱きながら続々と出される料理を堪能する。
メインが出されてくるまでに副菜が色々と出されて、そのどれもが美味しくて本当に驚いた。



「操(みさお)さんの作る料理はどれを食べても美味しいな」


お腹が満たされてきて満足だったんだろうか。
彼がポロリと名前を呼び、私はそれを聞き流せずに見返した。


(操さん?!)


この人のこと?とカウンター越しに立つ女性を見つめ、名前で呼び合うような仲なんだ…と再確認する。


(何だろう、ちょっとモヤっとする)


そりゃ、私も駿ちゃんとは名前で呼び合う時もある。
だけど、それは幼い頃からの顔見知りで、今もたまに交流があるからだ。


(だったら、二人の関係って何なの?)


イライラしながら、店では聞けないから後でいい…と頭を切り替える。

メインで出されたヒレステーキは確かにとっても美味しかったけど、心から喜んでは食べれなかった。


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