イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
クスッと微笑む彼女は目を細め、彼に笑いかけながら、「再会したんだってね」と確認してる。


「そうだよ」


別にそんな事どうでもいいだろ…という感じで彼は席に座り直す。お絞りで手を拭き、デザートスプーンを握りながら彼女に目線を流した。


「ひょっとして、この間相談してきたことと関係のある人?」


ニコニコしながら他意は無さそうな雰囲気で訊ねる彼女。
でも、今泉君は少しムッとした様子で「まあそう」と言葉少なく返してる。


「だったら、最初からそうだって言えばいいのに」


声を弾ませた彼女は、変に余所余所しくしちゃってやぁねー、と笑い飛ばし、彼は別にいいだろ…と不貞腐れる。


「あ…あの?」

「あっ、ごめん。実はね」


じっと二人の様子を見つめてた私の小声に気づいたんだろう。
カウンターに立つ彼女がこっちを振り向き、何かを説明してくれそうな雰囲気があったんだが。


「何も言わなくていいから」


不機嫌な声で彼が制するもんだからビクッとする。
顔を向けるとさっさとデザートを食べ終え、スプーンを置くと「出よう」と促した。


「そろそろ時間的にヤバいから」


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