イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
彼との距離をゆっくりと空けながら、何してるの…と思いつつも、葵?と問いかけてくる彼に、オドオドと目を向けた。


彼は困惑した表情で私の顔を見つめていた。
こんな感じで、誰からもきっと拒否されたことないだろう彼が、今どんな気持ちでいるだろうと思いながらも訊ねた。


「さっきの……お店のマスターとはどんな関係?ドンに私とのことがバレたからって、今泉君にとってはそんなに迷惑なこと?」


心の中で納得できずにいた思いを口にしてみた。
これまでは、彼の押しに流されるままにしてきたけど……。


(もう流されるだけじゃ嫌)


彼が例えば鬼軍曹のようになって怒っても、きちんと自分の意見を言えないままで終わるのは嫌だ。


「何か隠してることがあるなら話して。さっきお店で彼女が教えてくれようとしたことは何?あの店は元カノと何度か行ったことがあるの?どうして、マスターのことを名前で呼んでるの?どうしてロースじゃなくて、ヒレにしたの!?」


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