イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
「緊張溶けた。続きは部屋に行ってからにしよう。さっきの葵の質問にもちゃんと答えてやるよ」


キッパリと男らしく言うとドアを開けて外へ出て行く。
こっちはその態度にキョトンとしながらもシートベルトを外して、カチャッとドアを押し開けて外に足を出した。

もう御免被ったりしないつもりで彼の側まで歩いていくと、彼は私の肩に手を回し、自分の部屋へと連れて行った__。




どうぞ…と通された部屋の真ん中で、私は異様な光景を目にして沈黙。


「…ねぇ」


唇を開いて彼を見遣れば、向こうは何食わぬ顔つきで部屋の隅っこへ行き、こっちに来いよ…と手招きをしてくる。


「あの…」


このトレーニング器具の山は何?と言いたくなりながら、それらを横目に彼のいるソファへと辿り着き、ねぇ…ともう一度声に出して、ちらっと中央を振り返った。


「あ…っ」


ぐいっと腕を引っ張られ、半ば無理やり座らされる。
凭れ込むようにソファへと雪崩れ込む私を、彼がキャッチする様に抱き留めた。
どさっと勢いよく倒れ込んだのに、痛いとも言わずに私の体を支えてくれてる。


「ねぇ…今泉君」


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