イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
それ何?と目線を向けて問えば、彼はスルリと視線を外し、「まあ、それはいいから」とはぐらかそうとする。


「今泉君」

「それよりも」


トン…と肩に手を置いた彼が、じわりと近寄ってきた。
胸を弾ませる間もなくリップ音を立てて唇に吸い付き、離れていきながら問われた。


「……俺、いつまでお預けされるんだ?この間からずっと、葵の部屋でも我慢し通しなのに」


そう言うとジリジリ押し寄せてきて、背中に腕は回され、逃げることも出来ないくらいに抱き竦められてく。


「我慢?」


近づく距離と上がり始める体温にドキドキしながら訊ねた。


「我慢するしかないだろ。あんな天井付近にベッドがあるんじゃ」


あんな場所でイチャつけるか、と苦々しい表情を見せ、部屋替われよ…とまで言いだした。


「そんな、急に言われても」


契約期間があるし。


「それじゃ、俺とこの部屋に住もう」

「ええっ!?」

「家賃は要らない。葵がここに居てくれるだけでいい」


そう言うと、ぎゅっと抱き締められ、苦しい…と息を詰まらせる。


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